「JFN賞2022」CM部門 各賞決定!
TOKYO FMをはじめとする全国FM放送協議会(JFN 会長:黒坂修)加盟38社が、放送活動、並びに、新規事業の活性化とクオリティ向上を目指し、社会的影響力や企画力等、JFNグループ全体の発展に大きく貢献した事績を表彰する「JFN賞2022」の各賞が決定し、7月21日(木)に授賞式が行われました。「CM部門」の最優秀作品に贈られるCM大賞は、FM愛媛の「学校あるあるシリーズ『内子高校小田分校Version』(60秒)」、第1部門(20秒以内)最優秀賞は、FM大分の「緊急牛乳消費促進ラジオCM 通訳(20秒)」、第2部門(21秒以上)最優秀賞は、FM鹿児島の「10年後の終わらないイブ(150秒)」がそれぞれ獲得しました。
特別審査員独自の視点から高い評価が認められた作品に対して贈られる特別審査員賞は、「弘兼憲史賞」にFM栃木の「長い人生 その2(60秒)」、「谷山雅計賞」に広島FMの「広島音遺産(現地音声週録)もみじ饅頭(30秒)」、「箭内道彦賞」にFM栃木の「メンバー紹介(20秒)」がそれぞれ選ばれました。
JFN賞 CM部門
JFN加盟38社のCM制作力の向上と、CMを通じて地域社会の文化に貢献する事を目的として優秀CM作品を表彰するのが「JFN賞・CM部門」です。今年の審査対象は、2021年4月1日から2022年3月31日までの間、JFN加盟各社が自社で企画または制作、放送したCMです。斬新な発想や演出と技法、地域性、公共性、影響力(CM効果)が審査基準となります。今年は、エントリー総数85作品の中から、特別審査員長の弘兼憲史氏(漫画家)、特別審査員の谷山雅計氏(コピーライター)、箭内道彦氏(クリエイティブディレクター)をはじめ、JFN各社のCM制作担当者38名による「公開審査会」で、以下の各賞が決定しました。
【CM大賞】
FM愛媛 「学校あるあるシリーズ『内子高校小田分校Version』」(桑原運輸株式会社/60秒)
【第1部門 最優秀賞】※20秒以内(エントリー数=54本)
FM大分 「緊急牛乳消費促進ラジオCM 通訳」(大分県牛乳普及協会/20秒)
【第2部門 最優秀賞】※21秒以上(エントリー数=31本)
FM鹿児島 「10年後の終わらないイブ」(指宿白水館/150秒)
【奨励賞】
○地域ブロック賞
・北海道・東北
FM仙台 「うまい鮨勘 40秒『未来の鮨屋』」(株式会社アミノ/40秒)
・関東・甲信越・静岡
TOKYO FM 「汚い言葉」(日機装株式会社/20秒)
・中部・北陸
FM岐阜 「違いがわかる・・・」(矢橋大理石株式会社/60秒)
・近畿・中国・四国
FM大阪 「田中商店 ムード演歌」(田中商店/20秒)
・九州・沖縄
FM鹿児島 「Flight on radio ACC report X’mas ver」
(アイベックスエアラインズ、株式会社エフエム鹿児島/80秒)
【制作者審査員賞】
FM鹿児島 「10年後の終わらないイブ」(指宿白水館/150秒)
【弘兼憲史賞】
FM栃木 「長い人生 その2」(天鷹酒造株式会社/60秒)
【谷山雅計賞】
広島FM 「広島音遺産(現地音声収録)もみじ饅頭」(株式会社にしき堂/30秒)
【箭内道彦賞】
FM栃木 「メンバー紹介」(塚田木材株式会社/20秒)
JFNラジオCMコンテスト2022~ラジオに乗せて、学校アピール
【最優秀賞】
西宥珠菜さん(國學院大學/20秒)
【優秀賞】
佐藤千絢さん(盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校/40秒)
【優秀賞】
林直輝さん(HAL大阪/40秒)
特別審査員講評
特別審査員長 弘兼憲史
今年は、飛び抜けて良いという作品が選ばれるというよりも、特別審査員やJFN制作者審査員が押しなべて高得点を付けた作品から、特別審査員3人が協議の上、受賞作品を選びました。弘兼憲史賞には、FM栃木の『長い人生 その2』を選びましたが、自分自身やリスナーの年齢を考えると、非常に時宜に適った選考結果となったと思います。高齢化社会を迎える日本において、これからこのCMのようなシチュエーションが色々な所で見られるようになるので、こうした心に沁みるような作品が数多く生み出されることに期待しています。
特別審査員 谷山雅計
「JFNラジオCMコンテスト~ラジオに乗せて、学校アピールで最優秀賞を獲得した國學院大學の西宥珠菜さんが、受賞の挨拶で、自分の作品の意味をしっかりと理解し、的確に語っていることを聴いて、とても素晴らしいと感じました。自らが関わったCM作品について語れる言葉が多ければ多いほど、その局のCMを作る力もアップしていくものです。JFN38局で制作に関わる皆さんも、ラジオCMについて大いに議論しあい、クリエイティブ力をレベルアップさせて、来年のJFN賞がさらに充実することを期待しています。
特別審査員 箭内道彦
誤解を恐れずに言うと、広告が、いつの間にか“モノを売るためのだけのもの”になってしまったとも感じることがあります。元々は企業が、新しいメディアをスポンサーとして応援していたはずなのに、少し寂しく思うことが時々あります。そこには文化も愛も育ちづらくなってしまう。そんな中、大賞に選ばれたFM愛媛の作品は、スポンサーがメディアを応援し、リスナーや社会をラジオと共に応援するという本来の形を思い出させてくれました。僕は、今年のラジオは“薬”であって欲しいと思っています。コロナや戦争や事件・事故が起きる中、心にダメージを受けた人がラジオをつけたら、少しだけ治ったり、ホッとしたりできる、そんな存在でいてほしい。
JFNラジオCMコンテスト2022~ラジオに乗せて、学校アピール~
全国の学生が自身の学校をPRするラジオCMコピーを競う「JFNラジオCMコンテスト2022~ラジオに乗せて、学校アピール」は11回目を迎え、國學院大學の西宥珠菜さんが最優秀賞を、盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校の佐藤千絢さんと、HAL大阪の林直輝さんが優秀賞を受賞しました。
●最優秀賞
西 宥珠菜さん(國學院大學)
最優秀賞という評価をいただき、大変嬉しく思います。収録の立ち会い等、貴重な経験になりました。私のCMを通して、國學院大学に興味を持ってくださる方が増えていただければと願っています。最後になりましたが、改めまして携わってくださった全ての方々に心より感謝申し上げます。
●優秀賞
佐藤 千絢さん(盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校)
この度はこのような素晴らしい賞をいただくことができ、とても嬉しく思います。自分の考えた作品が形になっていく様子にとても感動しました。制作に携わってくださった皆様、支えてくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。今後もデザインを楽しんでいこうと思います。ありがとうございました。
●優秀賞
林 直輝さん(HAL大阪)
この度は二度目となる優秀賞を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。本コンテストは、自分の新しい可能性を知ることができた、本当に素敵なコンテストで、一生忘れない特別な思い出になりました。来年からは社会人となってしまいますが、本コンテストで経験させていただいたことを今後の糧にしていきたいです。
特別審査員講評
特別審査員長 弘兼憲史
國學院大學の作品は、「マジ」「ヤバい」「ビビる」といった若者が軽々しく使うような軽薄な言葉だと思っていたものが、実は江戸時代や平安時代からあったという説もあるという事に驚き、印象に残った。他校が40秒を使ってCMコピーを作っている中、20秒で簡潔にまとめた上で印象に残すという技術は、なかなかのものだと思った。余談になるが、「全然」という言葉は否定表現でしか使ってはならないと思い込んでいたところ、明治時代の文豪である夏目漱石や芥川龍之介等は、肯定表現でも使っていた事を知り驚いた事があり、國學院大學の作品は、その驚きに近いものを感じて勉強になり、楽しかった。盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校の作品は、最初は「もっと寄って」というセリフの後に「パタパタパタ」という足音が聞こえ、集合写真を撮っている場面だと思い聴いていた。ところが、最後にパソコンのキーボードを叩く音が聞こえた事で、これは文字を並べているのだという事が判るという、どんでん返しのような面白さがあり、大変良いアイディアだと思った。HAL大阪の作品は、ジューッという焼き肉の音や、声優の素っ気ない喋り方等が面白い雰囲気を出していたところもあったが、お肉を焼く音で雨の音を表すという手法は、自分にとって新たな知識となり、非常に印象に残った。全体としては、皆さん良い勝負、接戦だったと思う。
特別審査員 谷山雅計
上位半数位の作品は微妙な差だと思ったが、その中でも耳にしっかり入ってくるものとそうでないものがあった。20秒や40秒という時間の流れの中で、言葉がただ平板に語られているものは、やはり耳に残りづらい。記憶に刻まれるCMというのは、何十秒という長さがあっても、一番のポイントになるのは「この一言だ」という中心がしっかりしているものが多いと思う。
例えば、最優秀賞になった國學院大學の作品は、冒頭の「マジっていう言葉が江戸時代からある」という、そこの部分だけで強く印象に残る。全体の構成の中で、自分はどこで聞き手を掴むのか、どこをメッセージとして定着させるのか、それはこの部分だという事を、もっと自覚的に考えて組み立てていけば、より良く、多くの人に伝わるラジオCMがつくれるのではと感じる。
特別審査員 箭内道彦
当たり前だと思っていた事が、当たり前じゃないという事があちこちで起きている時代だが、最優秀賞となった國學院大學の作品は、僕たちが先入観として持っている、若者の言葉は乱れているとか、若者の言葉は解らないといったものを覆してくれる。しかも、たった20秒で3度も覆してくれた。驚きや、気持ちいい裏切られ方というのがあり、素晴らしかった。通常であれば、「マジ」という言葉は江戸時代からある、という事だけで、CMコピーを一本作って満足してしまうところだが、「マジ」に「ヤバい」ときて「ビビる」まで畳みかけて20秒にまとめた力に感嘆した。非常に國學院大學らしい作品である。優秀賞の盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校の作品は、文字を撮影するという気持ちでデザインを捉えるという発想が、今の若い人にしかできない斬新な捉え方で、映像で見せられるよりずっとワクワクした。
【最優秀賞】
西 宥珠菜さん(國學院大學/「若者言葉」篇20秒)
【優秀賞】
佐藤 千絢さん(盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校「文字の集合写真」篇40秒)
【優秀賞】
林 直輝 (HAL大阪/「お肉屋さん」篇40秒)
【ブロック賞】
前田 帆乃香さん(北海道芸術デザイン専門学校/「戦うFONT」篇40秒)
野間 里奈さん(東海大学/
菊池 綾音さん(宇都宮大学/
塚本 こゆきさん・楠岡 絢子さん・櫻田 愛香さん(常葉大学/「ご来場」編40秒)
松竹 知那さん(名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校/「ライブ」篇40秒)
倉持 史佳さん(金城学院大学/「伝える力」篇20秒)
本田 万葉さん(甲南大学/「ロールプレイングゲーム」篇40秒)
植地 祥太さん(比治山大学/「枕草子」篇40秒)
有澤 勇耶さん(龍馬デザイン・ビューティ専門学校/「気づき」篇40秒)
松枝 克成さん(志學館大学/「志」篇20秒)
上地 永遠さん(沖縄国際大学/「質問」篇40秒)