第27回 総務責任者会議＜第二部＞
2023.11.28（火）開催
●報告：「DX化への挑戦の一年 ローカルラジオ局でもきっとできる」
FM AICHI 代表取締役社長 加藤義智氏
2023年度JFN賞企画部門で奨励賞を受賞した事績をテーマに、FM AICHIでのDX化の具体的な取り組み内容について、FM愛知 加藤社長からご報告いただきました。FM愛知で実際に使用しているグループウェアの画面でデモンストレーションも交えながら、パワーポイント資料で要点をまとめてくださいました。
【社内業務DX化への道のり】
2022年1月
コロナ禍でリモート業務が増加したが、手書き書類がリモート業務を阻害する原因に。「社内業務のデジタル化」の検討を開始
2022年2月
「デジタル化したら楽になる業務」の社内アンケートを実施
アンケートは社長が呼びかけ、自ら集計（社内文化を変えることなのでトップの関与が重要！）
2022年4月
手書きの社内申請書類を優先してデジタル化を実施
その後、アンケートで要望の多かったものから順次導入
2022年9月までにワークフロー系の書類の大部分の導入が完了
2023年4月
営業売上関連アプリの本格運用もスタート
【デジタル化の目的】★デジタル化は「情報共有」が要点！ ① 紙の申請をデジタル化 ② 押印文化を変革 ③ 紙の削減 ④ クラウド利用のため外部からでも作業が可能 ⑤ 申請データは一覧としてデータ保存、検索で保存データを抽出 ⑥ 業務アプリで１つのデータを変化させていく
【デジタル化できそう？】 ① 社内サーバ（オンプレミス）で利用してきたグループウェア「desknet’s NEO」を2020年にクラウド利用に変更していた ② アプリのノーコード開発ツール「AppSuite」は使えるか？ ③ AppSuiteの費用は320円／1ユーザー／月額 ④ 30日間無料トライアルに申し込んでみた ⑤ やってみることにした
【デジタル化に使用した主なツールなど】 ● グループウェア「desknet’s NEO」（ネオジャパン）を活用し、「AppSuite」という機能で業務アプリをノーコード開発 ● DX運用に使用した主な機能 ・ ワークフロー（申請～デジタル押印） ・ AppSuite（紙の様式やEXCELデータを業務アプリ化） ・ 回覧機能（届いたメッセージに対し、確認ボタンを押下してもらうことで周知済み状況を把握）
【DX化した書類、EXCEL】 ① ワークフロー型業務 タイム連絡票、生CM連絡票、パブリシティ連絡票、レポート連絡票、考査調査票、経費精算申請書、経費支出協議書、物品注文申請書、休暇申請書、休日・代休出勤申請書など DX化：25アプリ ② データ更新型業務 タイム・催事設定（タイム売上）、スポット設定（スポット売上）、案件管理（案件見込）、事業管理（名義スケジュール）、売上集計、取引先リストなど DX化：31アプリ
【DX化で実現できたこと】 ① 紙の申請書類をデジタル化してフォーマットを統一できた ② 申請書類の押印をネット上での承認に変更できた ③ 申請データはクラウドに保存され、いつでも簡単に検索で探せる ④ クラウド利用の為、外部からでも申請、承認や閲覧が可能に ・ 承認はスマホアプリでも可能 ・ スポンサーの出稿実績などは格段に調べやすくなった ⑤ 周知する為に、大量の紙を消費していたが、電子回覧で不要に ⑥ 売上の集計が楽に ⑦ 表現が曖昧な依頼メールのやり取りも減少した
【まとめ】
業務アプリ完成はゴールではなく、運用開始がスタート地点。運用の問題点で実現可能な部分を速やかに対処することで、運用効率を上げる。一覧データ化・データ一元化し、分析することで運用面向上や新たな発想も見えてくる。今後も利便性の向上やデータ分析の活用などで改良を続けていく。
【参加者Ｑ＆Ａから】 Ｑ：DX化に取り組んだ人員体制などについて知りたい Ａ：1年間限定で専従の担当者を配置した。外部の協力会社にも一部手伝ってもらうこともあったが、基本的にはほとんどを社内の人員で製作した。 Ｑ：専門知識のある人員は必要か Ａ：いればより良いが、どこの会社にもパソコンなどに詳しい人がいると思う。そうした分野にある程度詳しい人や好きな人がいれば、ほぼ問題なく取り組める。ちょっと面白そうだからやってみたい、という好奇心があれば、できるレベルだと思う。 Ｑ：開発費と月々の利用料はどのくらいか Ａ：開発は社員が行ったので、社員の人件費が開発コストということになる。 ランニングコストは、desknet’s NEOの利用料（基本料400円＋AppSuite利用料320円）で、社員一人あたり月額720円。 それ以外の費用として、社内ネットワーク環境を構築・保守してくれている外部の協力会社に、月額10万円で半年間、手伝ってもらった。
