2024年度JFN営業責任者会議
2025年1月23日(木)開催
2024年度のJFN営業責任者会議を2025年1月23日(木)に開催し、JFNCを含む38社48名の方々にご出席頂きました。
第一部では、LINEヤフー(株)の半田英智会長室長をお招きし、「地域産業活性化企業への進化~ローカルラジオ局の新たな役割と可能性~」と題してご講演いただきました。ここでしか聴くことのできない、示唆に富んだ貴重なお話を頂き、参加者一同、大いに勉強させていただくと同時に勇気づけていただきました。
第二部では、恒例の各社事例報告で情報共有を行いました。
■FM仙台(営業部長 樋場太一氏)
新感覚メディアミックスバラエティプログラム「BANG! BANG!!」・・・タイム+SNS

デジタルコンテンツとシンクロした新しいコンテンツ開発として、月曜夜の生放送55分番組を2024年7月にスタート。新しい番組を聞いてもらう新しいリスナーの掘り起こしをしようと、パーソナリティには、自称ほやドル「萌江」、YouTuberの「バイヤー高橋」、ライター「ずんだ」の3人を起用した。“#バンバン”をトレンド入りさせることをミッションに掲げ、番組初回からXの東北地方で達成したのをはじめ、毎回の放送へのリスナーのアクセスは、Xのポストが平均500件越え、メールも200通を超えている。
営業面の成果もすぐに出て、萌江さん経由のスポンサー3~4社を導入するなど毎月の売上を確保している。出演者が非常に協力的で、コンテンツや動画の制作、SNSでの展開などを一緒に楽しんでやってくれている事もポイントだと思っている。
同様の座組で成立している番組はほかにもあり、地元・仙台在住のYouTuberをパーソナリティに起用し、その出演者と関わりのある企業に番組をスポンサードしていただいているケースがある。このように起用した出演者を、将来的にはワイド番組のパーソナリティに育てていくことも視野に入れ始めている。
■ふくしまFM(営業局長 大橋達哉氏)
福島県産の花きPR展開・・・タイム+イベント+SNS
県農林水産部園芸課の入札案件を受注したもので、プロポーザルに出された時点では仕様書にラジオと記載されていなかったものの、ラジオを絡めて企画立案し落札した成功事例。
民間企業からの広告出稿が年々厳しくなっている中、ふくしまFMでは、地方創生などの予算を持つ地元自治体など、官公庁からの予算獲得を開拓することをテーマとしており、今年度で3年目となる県産花きのPR事業のコンペに初参加して受注した。
福島県の花の産出量は東北でナンバーワン、かつ、福島市の一世帯が1年間に切り花を買う額は都道府県庁所在地と政令指定都市を合わせた全国52都市の中で首位であるにもかかわらず、福島県民の福島県産の花に対する認識が低いことが課題。そこで、ラジオの強みである情報発信力と、ラジオ局が得意とするイベント展開で、暮らしに潤いを与える福島県産の花の魅力を伝え、普段の生活での花の利活用方法をPRすることをポイントに提案した。
事業期間は、2024年5月~2025年2月の10ヵ月間。クライアントである福島県農林水産部園芸課からは、ラジオを使うことで今までになく広がりのある事業になっており、イベントもアナウンサーがMCを担当することで質が向上し、非常に良いとの高評価を得ている。本件を受託したことで、かなり大きな予算を県から獲得できたが、なにより県の事業の広報活動を支援していることで、ふくしまFMが、地域社会への貢献という大変重要な役割を果たしているという、大きな意義を持つ案件になった。
■TOKYO FM(執行役員ビジネスソリューション局長 嶋裕司氏)
「ニュートレンドワン」へのトリドールHD導入・・・タイム+Web+タクシーメディア他

「丸亀製麺」等を展開するトリドールホールディングスの社長、粟⽥貴也氏へのインタビューを、まず全国ネットのラジオ番組で放送。インタビューのコンテンツは、フルバージョンの動画をYouTubeで配信し、首都圏を走るタクシーの車内メディアとSNSではショート動画を配信、Webのニュースサイトでも記事配信するという、ワンコンテンツ・マルチユースの企画。様々なメディアで配信するが収録は1日で行えるため、制作面での効率が良いのも特徴。新商品、事業理念、周年記念といった様々なニーズで多数のスポンサーに活用して頂いている。YouTubeは10万回の再生を保証しており、広告からの接触もあるため、ラジオリスナー以外にもリーチできる。セールス企画料金は525万円と800万円(スポット付き)のパッケージがある。
トリドールHDは、元々は焼鳥居酒屋だったが、丸亀製麺を立ち上げ、大成功。グローバル展開し、粟田社長はアメリカの経済雑誌Forbesにも掲載される程の資産家になった。何を大事にしてここまでの事業成長を成し得たのか?社長の著書が出版されるタイミングでのプロモーション展開となった。
■FM新潟(執行役員コンテンツビジネス本部長 阿部香里氏)
ECサイト企画



FM新潟では、スキー場リフト券、ゴルフ場利用券、温泉旅館の宿泊券を販売する3つのECサイトを運営しており、スポットCMをオンエアする代わりに各施設からチケットを提供して頂いている。FM局の武器である、信頼、告知力、地域密着力を十二分に活用して、新たな収益を生むこと、新たな取引先を開拓することを目的に運営。メリットはFM局にとってほとんど出稿がない業種や新規スポンサーを開拓でき、次の出稿にも繋げられるかもしれない点。ユーザー(リスナー)にとっては、放送局による運営という信頼度の高いサイトでお得なチケットを購入でき、参加施設にとっては、キャッシュアウトなしでスポットCMで宣伝できる事がメリットとなっている。12月開催のスキー場リフト券販売会は、10日間実施し、売上は過去最高の1700万円に達した。FM岩手、秋田、福島、新潟、富山、福井の6局による共同開催で、各局それぞれが売上を獲得した。FM新潟は、事務局として、サイトの制作・管理、クレジットカード手数料の支払い、チケット発送作業、SNS広告、問合せ対応等の一切を請け負うことで、各局売上の25%を手数料として申し受けている。今後も続々とEC販売を行う予定で、こうした展開に興味のある局様は、お問い合わせいただければと思う。
■FM福井(営業部副部長 兼 東京支社長 長岐岳氏)
「FM福井開局40周年記念特別企画 サマータイムブルース2024夏甲子園」
・・・タイム+スポット+SNS(YouTube、X、Instagram)

開局時から2009年まで夏の風物詩として放送していた、夏の高校野球の県大会をテーマにした番組を、開局40周年にあわせ15年ぶりに復活させ特番セールスを行った。オンエアは、2024年7月1日~27日で、提供要領はタイム提供+スポットだが、時流に合わせた展開とするため、広告代理店と共同で特設サイトを制作し、選手を取材した模様などを掲載。SNS(YouTube、X、Instagram)を活用して拡散を図った。
放送期間前半は出場校紹介を放送し、期間後半は、試合直後に敗退したチームにインタビューを行う“敗れし者たち”を放送。号泣する球児、淡々と振り返る球児、笑顔で語る球児、そしてマネージャーの声に、リスナーはあの頃の自分に重ね合わせて、特別な感情が湧き上がる。
福井県は甲子園出場を目指す高校が28校と少ないところもポイントで、かつての高校球児が、今や福井県内の地元企業で社長や役員を務めているケースも珍しくない。スポンサーとの日頃の雑談も覚えておいてセールスに役立てた。スポーツには、熱い応援ファンが必ず存在し、それを理解してくださる広告主も多いと感じている。
■FM AICHI(東京社長 冨田隆広氏)
「会いたいあの人への思い supported by JR東海」・・・タイム+AuDee+SNSほか

2024年7月~12月の半年間、夕方のワイド番組内でオンエアした週1回の5分コーナー。リスナーから、いま会いたい人についてのメッセージを募集して番組で紹介し、パーソナリティがその思いやエピソードについてコメント。JR東海のプロモーションテーマとシンクロするような企画とした。
JR東海では、今回のキャンペーンを実施するにあたり、情緒的な部分を最も伝えてくれる媒体を選んで展開したいとの思惑があった。JR東海は、同一エリア内にある競合局の株主である上に、広告展開にラジオをほとんど利用しないスポンサーであったが、FM愛知の営業担当は、広告担当者のもとへ足繫く通い、ラジオメディアの最新トピックやFM愛知の情報をインプットし続けていた。その結果、ラジオがリスナーと深いエンゲージメントを形成しているメディアであるとの認識を、スポンサーに持っていただくに至り、ラジオメディアの良さを理解していただいたことが、今回の案件獲得に繋がった。
また、スポンサーから「ラジオは効果検証ができない」と言われるケースが多いが、本企画に際しては、Web上でリスナーからアンケートを取って独自に効果検証を行い、報告書を作成した。この報告内容についても、クライアントから一定の評価を頂いている。
■FM香川(営業企画部グループリーダー 兼 東京支社長 髙田大輔氏)
時報スポットセールス
- スポンサー:
- 独立行政法人労働者健康安全機構(新規スポンサー)
- 放送時期:
- 2025年2月~3月
- 放送枠:
- 月~金14時、16時、土日8時、9時、10時
独立行政法人労働者健康安全機構は厚生労働省の外郭団体で、産業保険総合支援センターという拠点を全国47都道府県に置いているほか、全国32カ所の労災病院の運営も行っている。
2024年3月、香川県の産業保健総合支援センターから、FM香川の問合せフォームに連絡があり、すぐさま営業担当が訪問して51万円のスポット出稿を頂いた。スポンサーによると、全国47拠点すべてに、センター周知を行うための広報予算が本部から支給されているとのことで、早速、近畿中四国ブロックのJFN加盟社に情報共有したところ、ある県では新聞、ある県ではバス広告、ある県では広告予算の使い方が分からず本部に返納したケースもあることが判った。そこで、出稿のお礼方々、神奈川県川崎市にある本部を訪問し、全国ネットのJFNの時報スポットを提案したところ、提案から半年経った10月になって突然連絡があり、今回の出稿獲得に至った。
FM香川へのローカル出稿を起点にスポンサーの情報を得て、ネットワーク各局に共有。すぐさま各局が地元で動いて、スポンサーの各拠点がバラバラに予算を使っている状況を把握できたことが、フルネットの時報スポット提案に繋がった。