<受賞作品一覧>
[CM部門]122本(第1部門=52本、第2部門=32本、統一CM部門=38本)
●大賞 fm osaka「だんだん自信が出てくるソング」(大阪スクールオブミュージック専門学校)90秒
●第1部門(20秒以内)
 最優秀賞
FM中九州「日本がヤバイ!?」(熊本情報経理専門学校・熊本歯科技術専門学校)20秒
●第2部門(21秒以上)
 最優秀賞
TOKYO FM「防犯キャンペーンお気に入りの家」((株)エフエム東京)60秒
●統一部門(9.5秒)
 コスモ石油「コスモ石油賞」
TOKYO FM: 「新しい自分」60秒
●ブロック賞
(北海道・東北) FM仙台「アメリカ車販売・修理専門SAK」((株)SAK)20秒
(関東・甲信越・静岡) TOKYO FM「本場の味・コリア」(味の素)20秒
(中部・北陸) FMとやま「急ブレーキ」(カーレスキュー富山)5秒
(近畿・中国・四国) fm osaka「老人と夢」(大阪スクールオブミュージック専門学校)20秒
(九州・沖縄) FM中九州「たまには外食も…」(焼肉ぱいんひる)20秒
●出演者賞 FM徳島「アニバーサリーフェア鼻歌」((株)ジュエリーピコ)20秒
●コピー賞 TOKYO FM「本場の味・コリア」(味の素)20秒
●制作者審査員賞 fm osaka「だんだん自信が出てくるソング」(大阪スクールオブミュージック専門学校)90秒
[企画部門]申請件数 22社28件
●大賞 TOKYO FM「KEITAI.FM」
●優秀賞 FM福岡「fm fukuokaショップ展開計画“あなたも天神のSHOPオーナー!!できちゃった店舗200店”」
hiroshima-fm「9ジラジ出張校内放送」
FM仙台「切迫する宮城県沖地震に向けた防災減災情報番組と地域のマスコミ・ライフラインとの提携」
●奨励賞 K・MIX「中継局更新の新たな取組み(エリア拡大、新機能開発、低コスト化)」
FM徳島「地域防災ハンドブック」
●特別賞 中四国8局(FM山陰、FM岡山、hiroshima-fm、FM山口、FM香川、FM愛媛、FM徳島、FM高知)
「局アナバトルROUND3」(中四国8局同時生放送)
FM AICHI「EDPSマニュアルの作成」

JFN 後藤会長
今回の参加作品には優れたものが多く見られ、かなりの接戦で受賞作品が決まった。
言葉は意味を伝えることと、思いを伝えることの2つがある。意味はアナウンサーでも伝えられるが、思いを伝えるには、声の質が重要なファクターを占める、との天野氏のお話もあった。
声を仕事とするラジオに携わる参加者にとって、改めて「声」について考える、いいられ、かなり接戦で授賞作品が決まった。
 JFN賞は、社会的影響力を行使し、媒体力のアップを図り、併せてJFN加盟38社の交流とグループ全体の向上発展に寄与することを目的として毎年開催している。
 今回は、38社が参加し、第1部門(20秒以内)が52作品、第2部門(21秒以上)が32作品、統一CM部門(コスモ石油株式会社・60秒)が38作品の合計122作品がエントリーした。
 審査員には、コラムニストの天野祐吉氏、コピーライターの小野田隆雄氏、漫画家の弘兼憲史氏の3氏を迎え、厳正なる審査が行われた。また統一CM部門「コスモ石油賞」では、同社広報室の小宮山氏を迎え、審査が行われた。
 栄えある大賞には、fm osakaの『だんだん自信が出てくるソング』(大阪スクールオブミュージック専門学校)が輝いた。審査員の天野祐吉氏は、「ラジオというのは、手馴れた、プロの声が聞こえてくると、こちら側に言葉が全然届かない。だから、局アナに安易にナレーションを読ませているラジオCMが一番ダメなのではないか。今日、いろいろと聴いてみて、改めて声のキャラクターが、ラジオ・コマーシャルの95%を占めていると感じました。そういった点では『だんだん自信が出てくるソング』は素晴らしかった。コマーシャルとして見たときに、こんなに良くできているのはめったにない、というくらいに良くできています」と感想を述べた。

CM部門大賞 fm osaka
 また、弘兼憲史氏も「 一番最高点を入れました。これは出演者がすごく良くて、最初に自信がなさそうな女の子がだんだん明るくなっていく、このへんにうまさがあります。他の審査結果を見ましても、圧倒的でしたね」と話し、小野田隆雄氏も「最初に聴いたときに、これはかなりのもの、今年は大賞はこれかなと思いました」と3者が同作品を絶賛した。


 第1部門(20秒以内)の最優秀賞は、FM中九州の『日本がヤバイ!?』が獲得した。天野氏は、「『日本がヤバイ!?』は、今の日本の状況がとてもよく出ていて、皮肉的で大変面白い作品だった。本当にリアリティがあります」と講評した。
 第2部門(21秒以上)の最優秀賞はTOKYO FMの『防犯キャンペーン お気に入りの家』に決定。同局の『盲目のスプリンター』と最後まで賞を争った。
 統一部門(60秒)「コスモ石油賞」は、TOKYO FMの『新しい自分』がグランプリに。コスモ石油株式会社経営企画部広報室の小宮山剛市氏は、「今回、こんなにたくさんのCMを作っていただいて感謝しています。前半のCMに比べて、環境広告は作るのが難しいのだと感じました。お話の中にもありましたが、正しいことを広告するのですが、作る方がとてもご苦労をされたのでは、と思いました。その中で共感するCMを作られているところは、やはり十分評価できると思います。私は『遊び場だから』が結構良いなと思いましたが、この結果には非常に満足しています」と感想を寄せた。
 その他のブロック賞・出演者賞・コピー賞・制作者審査員賞も順次決定し、公開審査会を終了した。ブロック賞について 小野田氏は、「地域性が顕著に出されているもので良いものがあれば、それが選ばれるべきだと思いますが、地域性以上にラジオ・コマーシャルとしての完成度が要求されるべきだと思います」とご意見をいただいた。また審査員3氏より、来年からは制作者の名前をきちんと表記した方がいい、とアドバイスをいただいた。

企画部門大賞 TOKYO FM コスモ石油賞 TOKYO FM JFN特別功労賞
FM AICHI 前原取締役相談役(右)
特別審査委員長
天野祐吉氏
特別審査委員
小野田隆雄氏
特別審査委員
弘兼憲史氏
 審査会の後、TOKYO FMホールで行われた授賞式では、後藤 亘会長が冒頭に「実は、この賞は『JFN CMフェスティバル』として1987年に誕生し、『JFN賞』に統合して、これで18回目となります。ご臨席の3審査員の方、天野先生や弘兼さん、小野田さんには大変長いことお世話になっており、ずっと審査員を続けていただいています。壇上から失礼いたしますが御礼申し上げます。ことに天野先生には18年間やっていただいて、大変お世話になっています。我々にとって、非常に刺激を与えてくれる批評を賜りまして大変恐縮でございます。そしてまた、統一CM部門では、今年はコスモ石油株式会社様の協賛をいただき、鴇田広報室長が見えています。そして、いつも現場でラジオ放送をいろいろとサポートをしてくださっている広報室の小宮山さんも同席されています。こうやって皆様方のお力添えがあって、どうにか18年目を迎えることが出来たことを、大変感謝申し上げる次第でございます」と挨拶した。その後、長年の功労を称え、FM AICHIの前原取締役相談役に表彰状と記念品が渡された。表彰式では、各賞に選ばれた各局の代表者が壇上に上がり、表彰状とトロフィーを受け取った。

 統一CM部門ではコスモ石油株式会社の経営企画部広報室長・鴇田穂積氏より、「コスモ アースコンシャス アクト クリーン・キャンペーンは今年で5年目に入りました。このクリーン・キャンペーンをCM制作の題材に起用いただいたことで、JFN各局さんには多大なるご苦労をおかけしながら、展開したわけです。38作品をひとつ一つ拝聴させていただきましたが、やはり、そこには皆様の大変なご苦労やいろいろな工夫が入っていたと思います。順位や甲乙つけがたいものがありましたが、ひとつ一つ拝聴させていただきますと、中には、本当に環境保全という思いを遡及させるようなものが感じられたり、問題提議型のCMになっていましたので、このまま残しておくのがもったいないような作品もありました」と賛辞をいただいた。
 また、放送活動や事業・営業活動を表彰する企画部門の大賞はTOKYO FMの「KEITAI.FM」が獲得した。
 3名の審査員の方々からも講評をいただいたが、審査委員長の天野祐吉氏は、「今は本当に声が聞こえてくるということが少なくなった時代で、音だけは、いろいろとあちらこちらからガーガー聞こえてくる。人間らしい声が届かない時代ですから、一般の人達は皆人間の声に飢えている。そういうところに届く声を、ぜひ見つけていただきたいな、と思います。テレビはどうも人間の声が聞こえてこない、あるいは人間の声が聞こえない。そういう状況の中で、ラジオは大衆に密着した生き生きしたメディアになれるのではないかと思っております」とラジオに寄せる期待を述べ、締めくくった。
 最後にJFN賞選考委員会冨木田委員長から、「受賞された局の皆様おめでとうございます。また、残念ながら受賞されなかった局の皆様にも心から感謝申し上げます。今回の企画部門の作品はどれも素晴らしく、優劣がつけ難い拮抗した企画が揃っておりました。審査には所定の時間を1時間半もオーバーしてしまうほど、討論が熱く交わされました。審査結果が決定いたしました時、非常に感銘を受けたことが1点ございました。それは参加作品の全てが、JFNが今直面している問題、今後チャレンジしなければならない課題に、真正面から真剣に取り組んでいる姿勢であります。審査員も深く共感し、来年はさらに多くの参加作品を期待して、現状の制限事項の変更を検討することとなりました。来年は全局の参考になる企画が、さらに多く集まることを期待しております」との挨拶があり、今年のJFN賞はすべて終了した。
 授賞式の後、懇親パーティーが催された。授賞式への列席者一同、来年のJFN賞に向けて、新たな思いと期待を胸に、なごやかな談笑が続いた。
コスモ石油株式会社経営企画部
広報室長 鴇田穂積氏(左)と
広報室 小宮山氏(右)
JFN賞選考委員会
冨木田委員長
JFN賞2003の模様はこちら

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